英国、ドイツ、フランス、イタリアなど欧州各国の空軍機が次々、日本に飛来しています。インド太平洋の安全保障に詳しい永田伸吾・金沢大客員研究員は欧州側の思惑について、機動的に少数の部隊で行動できる利点をいかし、インド太平洋地域での存在感を示す狙いがあると指摘します。

 ――欧州各国空軍の最近の動きを教えてください。

 英国の場合、2021年9月の空母クイーン・エリザベスの日本寄港が目立っていますが、英空軍は16年10月から11月にかけ、ユーロファイター戦闘機やC17長距離輸送機などを航空自衛隊三沢基地(青森県)に派遣し、空自のF2、F15両戦闘機と共同訓練を行いました。空自が国内で米軍以外の軍隊と訓練を実施したのは、これが初めてです。

 22年9月には、ドイツ空軍のユーロファイター戦闘機などが空自百里基地(茨城県)に来ました。独空軍戦闘部隊が日本に飛来したのはこれが初めてでした。

 23年7月にはフランスの航空宇宙軍(20年9月に空軍から改称)のラファール戦闘機などが空自新田原基地(宮崎県)で空自部隊と共同訓練を行いました。

 同じ23年8月には、イタリア空軍のF35戦闘機も空自のF15戦闘機と小松基地(石川県)で初めての共同訓練をしました。F35との国内共同訓練は、米軍以外の空軍とはこれが初めてでした。

■なぜ、空軍が軍の国際交流役を…

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