日本テレビ系で昨年放送されたドラマ「セクシー田中さん」を巡り、漫画などを映像化する際の原作からの変更が議論を呼んでいる。どんな配慮が必要なのか。

 「ドラマ制作の詳細については契約書は存在しない」

 「法律に基づいた枠組みでの了解は当然あるが、約束事を文書で取り交わしているわけではない」

 日テレの福田博之専務は2月の定例会見で、「セクシー田中さん」のドラマ化を巡り、原作からの変更について詳細に取り決めた契約書を版元の小学館と交わしていなかったと明かした。日テレでは一般的な対応だという。また日テレはこれまでに、最終的に許諾された脚本に基づき放送した、とも説明している。

 一方、小学館は朝日新聞の取材に対し、契約については「開示できない」と回答。公式サイトに発表した文書では、原作者で漫画家の芦原妃名子さんの要望を制作側に忠実に伝えてドラマが作られた、としている。

「創作」めぐる考え方の相違、すれ違いの原因にも

 著作権に詳しい福井健策弁護士によると、原作の映像化で重要になるのが「著作者人格権」の取り扱いだ。著者の意に反して作品を無断で改変されない「同一性保持権」などで構成されており、「著作者の心や名誉を守る権利」と言える。

 原作からの変更をどこまで認め…

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