大阪市は、大阪・関西万博の開幕にあわせ、2025年から市内全域の公道や公有地で路上喫煙を禁止する方針だ。開会中の市議会に、路上喫煙防止条例の改正案を提出した。市は、全面禁止までに屋外喫煙所を大幅に増設するなど分煙対策を進めるが、受動喫煙を懸念する指摘もあり、計画通りには進んでいない。全面禁煙の実効性を疑問視する声も上がる。

 「ここ、路上喫煙禁止地区なんです」。昨年12月、京阪京橋駅近くの路上。歩きたばこをしていた男性に、青いジャンパーを着た市の「路上喫煙防止指導員」が声をかけた。男性は不服そうに「禁止地区ってわかりにくいんや」と言いつつ、たばこの火を消して1千円の過料を支払った。

 市は07年に、市路上喫煙防止条例を制定。当初、禁止地区は御堂筋と市役所周辺だけだったが、15年に京橋駅周辺も追加した。18年に大阪での万博開催が決まった後は、阪急大阪梅田駅やJR天王寺駅周辺も禁止地区に加わった。

屋外喫煙所増設 足りる? 足りない?

 日本たばこ産業(JT)によると、東京都千代田区や神奈川県大和市、大阪府四條畷市などでも条例で路上喫煙を全面禁止としているが、「大阪市のように規模の大きい自治体が全面禁煙にするのは国内初では」という。

 ただ、条例が禁じているのは、…

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