大阪府の吹田市社会福祉協議会の事務局長がハラスメント行為で懲戒処分を受けた問題で、処分の後に部下たちによる事務局長の信任投票が実施されていた。関係者によると、投票した係長以下28人中、不信任が15票と半数を超えたという。

 市によると、事務局長はハラスメント行為をしたとして、昨年11月14日付で減給10分の1(2カ月)の処分を受けた。またハラスメントを黙認したとして、事務局次長が口頭注意を受けた。市がこの日、市社協から口頭で報告を受けたという。

 関係者によれば、有志の職員が昨年12月、事務局長らに対する信任投票をした。結果は不信任15票、信任3票、白票5票、棄権5票だった。

 職員たちは投票結果をもとに、幹部に対して「体制の刷新」を訴えているという。職員の一人は取材に対し「多くの職員がハラスメントに苦しんできた。職員の声に耳を傾けてほしい」と話す。

 社会福祉協議会は、社会福祉法に基づき設置されている団体。市によると、市社協に対し2022年度、市は地域支えあいネットワーク推進事業の委託料や地域福祉推進活動補助金など計約1億6千万円を支出。また市社協の副会長の一人と常務理事は元市幹部、さらに理事の一人は現職の市幹部というつながりもある。

 市社協を指導・助言する立場となる市福祉総務室の担当者は「市の委託業務を受ける法人として、社会的責任を果たしてほしい」としている。ハラスメント行為や信任投票に関し、市社協の担当者は「取材には応じられない」と答えた。(田中祐也