米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古移設をめぐる国と沖縄県の「代執行訴訟」で、福岡高裁那覇支部が20日、国の主張を認める判決を出しました。地方自治法の代執行は、前例のない「最後の手段」といわれます。制度ができた経緯を含め、いちから解説します。
Q 代執行とは?
A 地方自治体に任されている事務を、国が代わって行う手続きで、地方自治体の役割や、国と地方の関係を定めた地方自治法245条の8が根拠だ。空き家撤去などで聞く代執行は、行政代執行法によるもので異なる。地方自治法に基づく代執行は、一度も使われたことのない手段だ。
Q いつからあるの?
A 国と地方の関係を「上下・主従」から「協力・対等」とした地方分権改革の一環として、2000年施行の改正地方自治法に盛り込まれた。国は地方を「下部機関」と見なし、トップダウンで事務をさせていた。この「機関委任事務」制度が廃止され、国会議員を選ぶ国政選挙やパスポートの交付など、本来国が果たすべき事務を、地方自治体が代わりに行う「法定受託事務」と、それ以外の「自治事務」に分けられた。代執行は、国の関わりが大きい法定受託事務に限って適用される。公有水面埋立法に基づく知事承認も含まれる。
Q 代執行が使われるとすれば、どのようなケース?
A 首長が手続きを怠ったり…