日本製鉄が18日、米鉄鋼大手USスチールを約2兆円で買収することを決めた。人口減少で国内需要が減るなか、世界全体で「粗鋼生産能力1億トン」を掲げて規模の拡大を目指す日鉄が、有力市場を確実に取り込む大胆な一手に出た。

 USスチールのデイビッド・ブリット社長は同日の電話会見で「統合により両社の顧客に、高い商品力と技術力を提供できると確信している」と話した。

 かつては粗鋼生産量で世界一だった米国だが、現在は中国、インド、日本に次ぐ世界4位。1970年代以降は多くの工場が閉鎖され、USスチールが本社を置くピッツバーグは「ラストベルト(さびついた工業地帯)」とも呼ばれる。外国勢との競争激化に加え、全米鉄鋼労働組合(USW)との対立の末、年金や保険料など人件費負担が重くなったことも経営を難しくした。

 現在、中国は世界の粗鋼の過半…

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