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岸田氏との面談は教団友好団体が「手配」 元米議長が認め、写真提供

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編集委員・沢伸也 高島曜介
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 岸田文雄首相が2019年にニュート・ギングリッチ元米下院議長と面談した際、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の友好団体「天宙平和連合(UPF)ジャパン」のトップらが同席していたとされる問題で、ギングリッチ氏が朝日新聞の取材に応じ、トップらの同席を認めた。面談については「UPFジャパンが手配した」と説明した。

 岸田氏は「ギングリッチ氏から表敬をしたいという申し入れがあって、お会いした」としているが、教団側が日米の有力政治家の面談を仲介していた可能性がある。

 岸田氏は自民党政調会長だった19年10月、党本部でギングリッチ氏と面談。朝日新聞は経緯や同席者についてギングリッチ氏に質問を送り、6日に書面で回答があった。

 ギングリッチ氏によると、UPFジャパンの梶栗正義議長や、米国の教団の元会長でUPFインターナショナル会長のマイケル・ジェンキンス氏が同席し、岸田氏と会話も交わしたという。面談は「UPFジャパンが手配した」とした。

 一方、UPFジャパンは6日、朝日新聞の取材に「もともとは安倍(晋三)首相(当時)とギングリッチ氏の会談をアレンジしようとしたが、時間をとれなかったので安倍首相が岸田政調会長(当時)との会談をセットしたと理解している」と回答した。

 面談をめぐっては岸田政権の複数の関係者が、安倍氏の要請だったと取材に話しており、UPF側が間に入る形で安倍氏とギングリッチ氏の面談が調整され、安倍氏の都合がつかずに岸田氏が対応した可能性がある。

 岸田氏は面談に教団友好団体のトップが同席していたかどうかについて「承知していない」「名刺交換をしたかどうか、全く記憶していない」などと述べていた。

 しかし、ギングリッチ氏は、梶栗氏とジェンキンス氏の同席を認めたうえで「まず名刺交換をした。その上で話し合った」。握手をしている様子や名刺交換の様子が写った写真とともに、そう説明した。

 朝日新聞は6日、ギングリッチ氏の説明について岸田氏の事務所に文書でたずねた。「同行者の中にどなたがおられたのかは承知していなかったということを申し上げているものであり、それに尽きる」と回答があった。

 UPFは、教団の創始者である文鮮明(ムンソンミョン)氏と韓鶴子(ハンハクチャ)総裁夫妻が創設した団体で、UPFインターナショナルは世界に約150あるという支部を統括する組織。ギングリッチ氏はUPFの大規模な集会で講演するなど、関係が深いことで知られる。(編集委員・沢伸也、高島曜介)

「誰が参加していたかは明らか」 元下院議長、面談の経緯説明

 岸田文雄・自民党政調会長(当時)との面談の場に世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の友好団体トップがいて会話も交わしていたと、ニュート・ギングリッチ元米下院議長が朝日新聞の取材に認めた。ギングリッチ氏は写真とともに、面談の経緯や同席者について振り返り、文書で説明。同席者のことを「承知していない」と繰り返す岸田氏との違いが際立つ形となった。

 顔を合わせての握手、交換し…

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