「ラケットを頭の上で振ってみる? 下から振ってみる?」
軽度の知的障害と両上肢、体幹機能に障害がある男子小学生に話しかけていたのは、東京都障害者総合スポーツセンター(北区)の中級パラスポーツ指導員、中村拓也(36)だ。
10月20日の「はじめようバドミントン入門」。その小学生はバランス感覚や歩行に制限があり、ラケットにシャトルを当てることができなかった。中村はシャトルを軽く投げ始めた。「上からシャトルが飛んでくることに恐怖感があり、目の前に落ちるシャトルを下から当てる方がやりやすいと言っていたので、その練習をしました」
この日、小学生から大人まで、様々な障害のある男女8人がバドミントンを楽しんだ。
ダウン症の男子中学生は最初は話しかける中村と目を合わせず、母親の方ばかりみていた。「シャトルをネットの向こうに返せたなど、できたことを褒めました。すると、笑顔になって、みんなに溶け込んでくれた。そこから、少しずつ技術指導をしていきました」
同センターでは、障害のある人…