ウクライナ侵攻を続けるロシアで、人工妊娠中絶への規制が強まっている。米欧への対抗軸として「伝統的価値」重視の姿勢を強めるプーチン政権の方針に沿った動きで、ロシア正教会や有力政治家が同調する声を上げ、いち早く規制を導入した地域もある。
ロシア上院のオリガ・コビティディ議員は16日、「妊婦に対し説得したり提案したりして中絶に踏み切らせる行為を、罰するべきなのは明らかだ」と述べ、刑事罰の対象にすべきだと主張した。「ロシアでは大家族が社会生活の規範となり、女性は子どもを産みたいと思うべきだ」とも主張。妊婦の学生への優遇措置などを通じて、出生率の向上も期待できるとした。
カリーニングラード州議会も22日、中絶を勧めることなどを禁止する法案を可決した。法案の趣旨を「生命の自然な継続と子だくさんの否定、そして利己主義など、ロシア人には異質の破滅的なイデオロギーの広がりを阻止する」と説明。違反した場合は、市民に最高5千ルーブル(約8千円)、公務員に同2万ルーブル、法人に同5万ルーブルの罰金が科される。
プーチン政権が「ロシアの伝統的な価値観」を国民に訴える理由
同様の法案は、ロシア・モル…
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