旧日本軍の元慰安婦の韓国人女性ら16人が日本政府に損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決で、韓国のソウル高裁は23日、日本政府に元慰安婦1人当たり2億ウォン(約2300万円)の賠償金の支払いを命じた。一審判決は国家には他国の裁判権が及ばないとする国際法上の「主権免除」の原則を認め、原告の請求を却下したが、高裁は破棄。原告の逆転勝訴を言い渡した。

 上川陽子外相は「国際法及び日韓両国間の合意に明らかに反するもので極めて遺憾」とする談話を発表。外務省の岡野正敬事務次官は尹徳敏(ユンドンミン)・駐日韓国大使を呼び出して抗議した。韓国政府に国際法違反を是正するために適切な措置を講じるよう求めたとしている。

 日本政府は賠償の問題は1965年の「日韓請求権協定」で解決済みとの立場を取る。主権免除を理由に裁判に参加してこなかった。上告せず、判決が確定する見通し。

 首相官邸の幹部は、慰安婦の問題は「最終的かつ不可逆的に解決」するという2015年の日韓合意で決着しているとの見方を示したうえで、「日本政府としてすぐに対応することはない」と話した。

 高裁は判決で、これまで形成さ…

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