【千葉】八千代市の新庁舎建て替え工事で、11月に実施する入札の参加事業者が辞退したことが分かった。市は設計と施工を同じ事業者に一括発注する方式で入札し、完成後の2026年から新庁舎で業務を始める計画だった。市は発注方式を変更して入札するが、完成は遅れる見通し。

 同市は旧館(地上5階地下1階建て)を1969年、隣接する新館(地上6階地下1階建て)を76年から使用している。老朽化を受けて18年に敷地内で建て替えを決めた。

 新庁舎は5階建てで延べ床面積は約1万3千平方メートル。概算事業費は約106億円を見込み、事業費削減や工期短縮のため、実施設計と施工を同じ事業者に発注する「デザインビルド方式」を採用した。

 今年6月に公告し、参加事業者と技術提案書などをやりとりしながら、11月に入札し、事業者を決める予定だった。しかし、参加事業者は9月までに入札を辞退した。市は辞退の理由を「公表できない」としているが、背景には建設業界の深刻化する人手不足があるとみられる。

 辞退を受け、市は今月、実施設計と施工を別々に発注する方式で入札を行うことを決めた。新庁舎は当初、今秋に完成し、来春から業務開始を予定していた。しかし、19年に台風被害、20年からはコロナ禍で建設は先送りされてきた。服部友則市長は「今後の対応を早急に決め、一日も早く新庁舎を建てたい」と話している。(本田大次郎)

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