知的障害者らが入所する大阪府高槻市の障害者支援施設「三島の郷」で入所者に暴行を加え重傷を負わせたとして、大阪府警は31日、元施設職員の男(39)=同市=を傷害容疑で逮捕した。捜査関係者が明らかにした。

 男は容疑を認め、「過去に他の入所者にも暴行した」という趣旨の話をしているという。

 捜査関係者によると、男の逮捕容疑は9月29日午前、50代の男性入所者に殴る蹴るの暴行を加え、肋骨(ろっこつ)を折るけがを負わせたというもの。男は夜勤勤務中だった。施設の防犯カメラには、男が共有スペースで、椅子に座る入所者を格闘技の「かかと落とし」のような形で蹴ったり、椅子から引きずり倒したりする様子が映っていたという。

 入所者は障害で意思疎通が難しく、自ら被害申告もできなかったとみられる。施設側が入所者が歩きづらそうにしているのを不審に思い、防犯カメラの映像を確認して発覚。男は施設側の調査に、数年前から他の複数の入所者に暴行したとも話したという。

 施設を運営する大阪市城東区の社会福祉法人「大阪福祉事業財団」は今月19日、ホームページで男による「虐待」があったことを認め、「深くおわび申し上げる」と謝罪。施設側は22日、入所者や家族に事情を説明したという。

 財団担当者は取材に、男を13日付で解雇したと説明。原因は「調査している」とした。

 施設は1979年に開所。現在は主に知的障害がある20~80代の約100人が生活し、一時的な利用者も受け入れている。約70人の職員が勤務しているという。

 障害者施設での虐待は後を絶た…

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