拡大する写真・図版鳥嶋和彦さん(左)とちばてつやさん。対談後にちばさんが鳥嶋さんに描いた色紙と一緒にポーズ=9月3日、東京・有明

 「私は集英社に入るまでマンガを読んだことがなく、ジャンプ編集部に配属されたけどマンガを面白いと思えなかった。隣の小学館の資料室で昼寝をしていて、そこにあるマンガを片っ端から読んでいったら、面白いマンガもある。その中で一番面白くて読みやすかったのが、ちば先生の『おれは鉄兵』でした。なぜ面白くて読みやすいのか? 1話を50回読んだらコマ割りに『文法』があることが分かった。それを基に新人を指導したらみるみるうまくなる。だから自分をちば先生の弟子だと勝手に思っています。今日は不肖の弟子から先生にいろいろおうかがいします」

 9月3日に東京・有明の東京ビッグサイトで開催された同人誌即売会「コミティア145」にて、鳥山明さんの「Dr.スランプ」「DRAGON BALL」など数々のヒット作を手がけた「Dr.マシリト」こと鳥嶋和彦・元週刊少年ジャンプ編集長と、「あしたのジョー」「おれは鉄兵」などのマンガ家ちばてつやさんの初対談が行われました。鳥嶋さんが切り出した「おれは鉄兵」最強エピソードは、この7月に出した「Dr.マシリト 最強漫画術」(集英社)でも披露されています。

 ちば「今日はのどの具合が悪くて聞き苦しいのを許して下さい。鳥嶋さんのことは名作をたくさん手がけた有名な編集者として、尊敬していました」

 鳥嶋「(鉄兵が剣道の試合をしている見開き2ページをスクリーンに映し)ご本人を前に『いかにすごいか』を解説するというのは気が引けますが、パッと見て分かる通り読みやすい。私も1年ほど剣道をやっていたので分かりますが、剣道の要は足さばきと間合い。2人の距離感がポイントです」

 「この見開きではまず1コマ目…

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