ネットで「うそつき」と書かれても 語り続ける元731部隊員の覚悟
後藤遼太
一、軍歴を隠すこと。
二、公職につかぬこと。
三、隊員相互の連絡をとらぬこと。
長野県宮田村に住む清水英男さん(93)は、戦後、三つの誓いを固く守って生きてきた。
終戦からちょうど70年、2015年の8月のことだった。妻と、戦争にまつわる遺品を展示する展覧会に出かけた。会場には旧日本軍の細菌戦部隊「731部隊」の資料が展示してあった。
壁にかかった写真には、レンガ造りの重厚な建物が写っていた。忘れもしない、建物だった。思わず妻に話しかけていた。
「これが本部の正面で、この2階にな……」
清水さんは731部隊の生き残りだった。
14歳、何も知らずに到着したのは
1945年3月、国民学校高…
- 【視点】
この夏読みごたえがあったのが信濃毎日新聞の特集「戦後78年 731部隊の記憶」でした(8月11日~17日)。 第1回の記事は『県内元少年隊員2人にネット上で中傷の声 命懸けの証言「嘘」呼ばわり』。 731部隊について元隊員が命懸
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