SNSに何か期待はもうできない? 社会学者が見たツイッター改めX

有料記事

聞き手・加藤勇介

 ツイッターの名前が「X」に変わり、おなじみだった青い鳥もいなくなってしまった。SNSの代表格で、とりわけ日本で愛されたツイッターとはいったい何だったのか。「カーニヴァル化する社会」「ウェブ社会のゆくえ」などの著書がある関西学院大学の鈴木謙介准教授(理論社会学)に聞いた。

「ツイッターの声こそ世論を反映」しぼんだ論調

 ――今回の名称変更で、ツイッター改めXはこれからどうなると思いますか。

 「個人的には見るだけのメディアなので感傷的な気持ちはないですが、サービスの今後としては不透明度が高まりました。今すぐ潰れるということは考えにくいですが、同じような競合サービスが出てくれば一気にそちらに流れる素地が出てきています。現状維持か、急に廃れるか、どちらになってもおかしくない状況になっています」

 ――ツイッターの競合SNSとして少し前に「マストドン」が話題になり、最近は「スレッズ」も登場しましたが、まだツイッターが揺らぐような状況にはなっていません。

 「メタ(旧フェイスブック)…

この記事は有料記事です。残り2015文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません

  • commentatorHeader
    鳥海不二夫
    (東京大学大学院教授=計算社会科学)
    2023年8月17日10時0分 投稿
    【視点】

    鈴木氏が指摘する通り,Xが現状を維持することはないでしょう.Xはマルチメディアや決済システムを含む「スーパーアプリにする」とイーロンマスク氏も宣言しています.その中で,ソーシャルメディアとしてのXの役割は縮小化するつもりである可能性も十分に

    …続きを読む
  • commentatorHeader
    磯野真穂
    (東京工業大学教授=応用人類学)
    2023年8月17日10時0分 投稿
    【視点】

    Twitterの青い鳥がいなくなったことを嘆いていた人や、これを機にTwitterをやめると宣言をしていた人もいました。 ですが、「整えられたプラットフォームを行き交う情報はタダで当然である」という認識自体に問題の根っこがあるのではないで

    …続きを読む