名古屋刑務所、受刑者死亡巡る訴訟のカメラ映像を消去 証拠保全対象

奈良美里
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 名古屋刑務所内で受刑中に亡くなった男性を巡る国賠訴訟に関連し、同刑務所は7日、証拠保全の対象だったカメラ映像の一部が消去されていたと明らかにした。同刑務所は取材に「ご遺族の方々や裁判所に大変申し訳ない」としている。

 男性は昨年3月1日に心筋梗塞(こうそく)と多臓器不全で亡くなり、遺族が今年4月に適切な治療を受けられなかったとして東京地裁に提訴していた。

 同刑務所によると、男性の死亡後、生前の様子が映ったカメラ映像の保存を決定。一定期間が経過するとハードディスク内の映像が上書きされる仕様のため、亡くなった3日後に刑務官がブルーレイディスクに複写する作業をした。

 提訴に先立つ証拠保全手続きが行われた今年2月9日、刑務所側は亡くなる約1週間前の姿が映っているとしてブルーレイディスクの存在を裁判所などに提示。証拠保全の対象となった。

 しかし、証拠提出に向けて映像を確認していた5月9日、保存されていたのは別の受刑者の映像だったことが判明した。保存するはずだった男性の映像は消去されていたという。(奈良美里)

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