「何もかもが死ぬ」ダム決壊、下流域は戦闘最前線 原発冷却にも懸念

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藤原学思 真田嶺
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 「何もかもが死んでしまうだろう。生き物も、鳥も、みんなだ。人びとはおぼれるだろう」

 6日決壊した「カホウカ・ダム」から西に約35キロ。ウクライナ南部ヘルソン州の州都ヘルソンに住む男性は、AFP通信の取材にこう語った。

 氾濫(はんらん)したドニプロ川の下流域は、川をはさんでロシア軍とウクライナ軍がにらみ合う最前線だ。ウクライナ側が支配する西岸で、ウクライナ軍兵士の1人は米CNNに「仲間たちは走って逃げた。陣地だけでなく、武器も装備も、弾薬も車両も残してきてしまった」と語った。

 SNSで拡散した映像では、人々の目の前で水流が家屋をのみ込んでいった。ウクライナ非常事態庁は一帯に800人の救急隊員を投入。7日朝までに洪水の中で孤立した住民を少なくとも52人救出したとした。ヘルソン州当局は7日朝、西岸で1852棟の民家が浸水の被害を受けたと明らかにした。

 だが、州幹部のSNS投稿によると、ロシア軍占領地からは避難中も砲撃が続いた。ドニプロ川の中州で住民の救出作業中の治安部隊員2人が負傷したという。

 川の両岸には地雷が埋められ…

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