ハーバード卒「ハリー・ポッター」 市長ポストをつかんだ「戦略」

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真常法彦
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 兵庫県芦屋市長選に史上最年少で当選した高島崚輔(りょうすけ)氏(26)。勝利の背景には、選挙プランナーとともに練り上げた綿密な戦略があった。票を獲得するために狙う「層」は。身だしなみは。政策を訴えるフレーズやSNS戦略は。プランナーの松田馨(かおる)氏(43)が、舞台裏を語った。

 「丸っこい眼鏡に下ろした前髪が『ハリー・ポッター』みたいで可愛らしかったですよ」。メモをよくとり、質問好きで、人なつっこい。2022年9月、自らの事務所を訪れてきた高島氏の第一印象を、松田氏はこう語る。

 初めての面談は2時間以上に及んだ。なぜ立候補するのか、どんな市政をめざすのか、選挙資金はあるのか。松田氏は次々に質問した。依頼者にあった戦略を組むための基礎情報集めは最初の重要な作業だ。

 思いはくんだ。ただ、たやすい戦いにはならないことは明らかだった。

現職に挑むため、狙った「ターゲット層」

 市長選の対立候補は3人。なかでも現職の伊藤舞氏(53)は高い壁だった。

 一般に、2期目をめざす現職市長は「最強」と言われる。知名度も新鮮さもありつつ、市政の継続性を求める有権者も一定数いるからだ。他の2候補も元市議と元県議で政治経験がある。高島氏の26歳という若さは、「魅力」ではなく経験のなさから「リスク」ととられる恐れもあった。

 強い現職にどう挑むか。松田…

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