「下院議長=ひ弱」イメージは覆せたが…米債務上限問題、乏しい戦果

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ワシントン=榊原謙
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 米政府の債務(借金)上限問題が1日、決着した。議会上下院で上限を「棚上げ」する法案が通過した。共和党のマッカーシー下院議長はバイデン政権から引き出した歳出削減を「戦果」として誇る。だが、米財政の健全化に与える影響は限定的だ。米史上初となる債務不履行に陥るリスクをもてあそぶ危険な政治取引だった。

 5月31日夜。法案の下院通過を見届けたマッカーシー氏は、記者会見で高揚感を隠しきれなかった。

 「米国史上最大の歳出削減をすると私は言った。私はどうやら、その約束以上の結果を出したようだ」

 マッカーシー氏は今年1月、下院議長に選出される際、共和党内の強硬な保守派の反対にあった。投票は15回もやり直されるという恥辱にまみれた。党内を掌握できない「ひ弱」なイメージがついて回った。

マッカーシー氏、「過小評価」が一変

 だが、5月から本格化した債…

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