同性婚訴訟、もう一歩踏み込んだ名古屋地裁 国の対応を促す違憲判決

有料記事

奈良美里 良永うめか
[PR]

 同性婚を認めないことは憲法に違反する――。30日の名古屋地裁判決は先行した札幌地裁より違憲性に強く踏み込んだ司法判断となった。「同性カップルに対する保護がなされない影響は深刻」などと、国に強く対応を促すものとなった。

「ほんの少し、スタートラインが見えてきたように感じる」

 「うれしくて涙が……」

 名古屋地裁で傍聴した東京都台東区の長屋友美さん(36)は目を細めた。愛知県出身で同性パートナーと4年前から交際中という。「『違憲』とはっきり言ってくれ、家族として認識してもらえたのが大きい」

 判決後の記者会見で、弁護団の堀江哲史弁護士は「私たちが主張してきたことを丁寧に拾ってくれた」と評価した。

 この日の判決は、先行した東京地裁判決と同じく、婚姻や家族に関する立法のあり方を定めた憲法24条2項に着目。東京地裁は同性カップルが家族になる法制度がない現状を「違憲状態」と指摘したものの、「制度の構築の方法は多様なものが想定され立法裁量に委ねられている」として「違憲」とは認めなかった。

 だが、名古屋地裁は踏み込ん…

この記事は有料記事です。残り1408文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

【お得なキャンペーン中】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら

  • commentatorHeader
    能條桃子
    (NOYOUTHNOJAPAN代表)
    2023年5月31日0時13分 投稿
    【視点】

    大きな前進、国の同性婚実現へ追い風となる嬉しいニュースです。 同性婚への賛成は20代では9割を超えています。 国はこれだけ「少子化対策」として結婚促進政策を展開していますが、その対象に同性カップルや事実婚カップルは含まれていないこと

    …続きを読む