藤井竜王挑む名人戦の舞台は「藤井荘」 念願かなう女将と山村の期待

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遠藤和希
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 将棋の藤井聡太竜王(20)が、渡辺明名人(39)に挑む第81期名人戦七番勝負(朝日新聞社、毎日新聞社主催、大和証券グループ協賛)の第5局は、31日と6月1日に指される。その対局場は、静かな村にたたずむ旅館「藤井荘」。旅館と同じ名前の藤井竜王による対局を、という願いがかなった女将(おかみ)や村の人たちは、史上最年少名人に王手をかけた大一番に胸を躍らせている。

 第5局の舞台となるのは長野県の北東部、群馬県との県境に位置する高山村の藤井荘。リンゴやブドウの栽培が盛んな人口6600人余りの高山村の山あいにたたずむ、森鷗外や与謝野晶子らも訪れたという200年以上の歴史を持つ温泉旅館だ。

 そんな旅館に名人戦開催を呼び込んだのは、藤井荘の女将、藤沢晃子社長らの熱意だった。「温泉街ににぎわいを」と2019年ごろ村にも働きかけを始め、名人戦の開催地に応募。落選にもめげず挑戦を重ね、21年に初めて旅館での名人戦開催にこぎ着けた。

 そして今回、「旅館と同じ名前の藤井さんにも藤井荘で対局してもらいたい」との願いで、村とともに名人戦に再応募。第5局の対局場に選ばれた。今回の七番勝負では、第4局までに藤井竜王が3勝1敗。第5局に藤井竜王が勝利すれば、史上最年少名人とタイトル奪取7冠目の快挙達成となる。

旅館名物の鍋や信州そばでおもてなし

 その第5局のために用意した…

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