ウィンタースポーツ産業の盛んな地域にとって、気候変動による雪不足は大きな悩みだ。シーズン短縮や大会中止に追い込まれることもある。北欧では「備蓄作戦」に活路を見いだしている。

 長野県白馬村の八方尾根スキー場は、5月の大型連休まで開業する予定を繰り上げ、4月末で閉じた。スキー場を運営する八方尾根開発の松沢瑞木さん(50)は「ここ数年、雪が減っている傾向を特に感じる」という。

 気象庁の統計では、白馬村の降雪量はこの30年で約1メートル減った。今年4月の最高気温の平均は16・5度と平年より1・9度高かった。4月20日の最高気温は26・3度にまで達した。

 八方尾根開発では環境への負荷を減らすため、2020年12月からスキー場内の電気を再エネ由来に切り替えた。

 スキー場では人工雪を降らせたりリフトを動かしたりで、電力を消費する。それが地球温暖化につながっては本業に影響する。「自分たちでできることをしよう」と始めた。

 ただ、雪が降らない、ということへの対策は見つけられていない。気温が高ければ人工雪を作ってもすぐにとけていく。「どうしようか、という感じで。本当に大きな課題です」

 気温上昇によって雪が減り、ウィンタースポーツができなくなることは、世界的な懸念だ。カナダ・ウォータールー大は昨年、温室効果ガスの排出を大幅に減らさない限り、過去に冬季五輪を開いた計21都市のうち、今世紀末でも開ける寒さが見込める都市は札幌市だけになるという衝撃的な予測を発表した。

北欧での雪不足対策は

 「日本のノルディックスキー愛好者の皆さん、秋のイマトラに来て下さい」

 そうアピールするのはフィンラ…

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