景観のための一般道の無電柱化は国土強靱化対策? 会計検査院指摘

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座小田英史
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 政府の国土強靱(きょうじん)化緊急対策について、会計検査院が調べたところ、一般道路の無電柱化など閣議決定に沿わない事業に672億円が使われていたことが判明した。事業の執行状況の集計もされていなかった。

 2018年の西日本豪雨などを受け、政府は同年12月、「防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策」を閣議決定。建物の耐震化など緊急に実施すべき160の対策が打ち出され、3年間で3兆6790億円の予算がついた。検査院は参議院の要請を受け、この予算の執行状況について調べた。

 検査院によると、国土交通省などが実施した17対策の一部の672億円分で、閣議決定に明記されていない事業が実施されていた。

宗像大社の市道の無電柱化にも強靱化予算

 国は電柱倒壊の危険性の高い緊急輸送道路の無電柱化に補助金を出すとしていたが、2県5市で一般道が無電柱化されていた。福岡県宗像市では17年に世界文化遺産に登録された宗像大社に近い一般道を無電柱化していた。検査院が調べたところ、市は良好な景観のために無電柱化をしていると回答していた。市は朝日新聞の取材に「もともと景観対策として道路の無電柱化を進めていたが、緊急輸送道路指定の検討段階だったので、19年度から強靱化の予算を活用した」と説明。この道路は今年4月に緊急輸送道路の指定を受けたという。

 ほかに介護施設など社会福祉…

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