17年前につくられた「草食男子」という言葉は、今も日常会話にしばしば登場します。新語・流行語大賞のトップ10入りもしたこの言葉を生み出した深澤真紀さんは、今日まで反省し続けていることがあると言います。話を聞きました。

     ◇

褒め言葉だったはずが・・

 「草食男子」という言葉の生みの親は私です。女性をもののように扱うのではなく、リスペクトし、対等な関係を結べる下の世代の男性たちに向けた褒め言葉でした。しかし、結果的には若者たたきに使われてしまった。そのことを、今も申し訳なく思っています。

 きっかけは、2006年のウェブメディアでの連載でした。その頃、高度経済成長やバブルの追い風で成功できた世代が、「若者はけしからん」と言い始めた。この世代の人たちは「俺たちに比べて、今の若者は」と言うけれど、下の世代の人たちは氷河期もあり、社会が守ってくれなかった。「何を言っちゃってるんだろう」と思って始めた若い世代の男性を分析する連載の中で、「草食男子」を書きました。軽い気持ちで、最初のうちは大して話題にもなりませんでした。

「敗戦処理」の日々

 ところがその翌年に「モテない…

この記事は有料記事です。残り824文字
ベーシックコース会員は会員記事が月50本まで読めます
続きを読む
現在までの記事閲覧数はお客様サポートで確認できます
この記事は有料記事です。残り824文字有料会員になると続きをお読みいただけます。
この記事は有料記事です。残り824文字有料会員になると続きをお読みいただけます。