大阪・関西万博は、2年後の2025年4月13日、大阪湾に埋め立てた夢洲(ゆめしま)で始まる。テーマは「いのち輝く未来社会のデザイン」だ。万博のねらいの一つは、社会課題を解決するような新しい技術やサービスを実用化することだ。今回の万博では「空飛ぶクルマ」や人間洗濯機などが注目されている。

 万博をきっかけに、世の中に広まったものは少なくない。1970年の大阪万博ではファミリーレストランや動く歩道、2005年の愛知万博ではICチップ入り入場券やドライミストが登場した。

 今回の万博の「目玉」と期待されるのは、空飛ぶクルマだ。万博会場と関西空港や大阪の中心部などを結ぶ予定。垂直に離着陸するが、電動でヘリコプターより軽量で騒音も少ない。自動運転できるものもある。

 万博で日本航空(JAL)が運航する機体は、ドイツのヴォロコプターが開発した。ヴォロコプターは同じ機体で24年にパリやローマ、シンガポールでの商用運航をめざしている。

 高さ2・5メートルで、18のプロペラがついた円形部分の直径が11・3メートル。操縦士を含めて2人乗り。フル充電の電池で20分間、35キロ飛べる。最高速度は110キロ。電池の性能が上がれば、航続距離が延び、積載重量も増やせるという。

 運賃は将来、機体が大量生産で安くなれば、1マイル(1・6キロ)あたり4ユーロ(約600円)ほどになりそうだという。

 JALの赤坂祐二社長は万博での運航を表明した2月の会見で「災害時の緊急輸送や都市部の渋滞の緩和、山間部の不便な所にも自由に行ける。万博を機に、小さな機体が『移動革命』を担う」と語った。

 前回の大阪万博で話題となった人間洗濯機は、まったく違う技術を用いた「未来型」が25年の万博にも登場する。

前回は卵形だった人間洗濯機、今回は…

 前回の「ウルトラソニックバス…

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