米軍機密文書、複数流出か 政府関係者「甚大な損害の可能性も」

真田嶺
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 ロシアによるウクライナ侵攻に関わる資料など米軍の機密文書とみられる複数の資料がソーシャルメディアに投稿された可能性があるとして、米国防総省は8日、「この問題を積極的に検討し、米司法省にも正式な調査を求めた」と取材に明らかにした。

 ニューヨーク・タイムズウォールストリート・ジャーナルによると、投稿された文書にはウクライナ軍の戦闘状況を伝えるものや、米国がウクライナに提供した兵器や支援に関する機密情報などが含まれていた。イスラエルや中国、韓国などに関わる文書もあったという。

 ツイッターなどに投稿された文書の一つは、3月1日時点のウクライナ東部の戦況を示す地図が記された文書の写真で、極秘であることを意味する「TOP SECRET」などと書かれている。地図にはウクライナとロシア両軍の配置や、両軍の推計総死者数などが記載されている。

 ただ、総死者数を修正した類似の画像も出回っており、元の資料から一部改ざんされている可能性もある。これらの画像は、英語圏の匿名掲示板「4chan(ちゃん)」にも6日に投稿されていたという。

 ニューヨーク・タイムズは米政府関係者の話として、「この規模の漏洩(ろうえい)は文書自体の機密性とともに、甚大な損害を与える可能性がある」と伝えた。また、情報機関の幹部の一人は「(米、英、豪、加、ニュージーランドの情報機関同士が協力する)ファイブアイズにとっての悪夢だ」と語ったという。

 ただ、文書の真偽については、現時点では判明しておらず、ロシアによる情報戦の一環だと指摘する声もある。

 ウクライナのポドリャク大統領府長官顧問はツイッターで、「劣勢を挽回(ばんかい)する唯一の方法が(画像編集ソフトの)フォトショップと『架空の偽情報流出』となるまでに、ロシアの情報機関は劣化している。反撃を妨げようと躍起になっているが、現地で本当の計画を知ることになるだろう」と投稿した。(真田嶺)

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