陸自ヘリ事故、不明10人中3人は着任直後の幹部か 視察目的で飛行

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成沢解語
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 沖縄県宮古島周辺で陸上自衛隊のヘリが6日に消息を絶った事故で、安否が不明になっている隊員10人のうち3人が、第8師団に着任した直後の幹部だったとみられることが、防衛省関係者への取材でわかった。事故は、有事に派遣される可能性がある地域を上空から確認する「航空偵察」の最中だったという。

 ヘリは6日午後3時46分ごろ、宮古島の航空自衛隊宮古島分屯基地を離陸。予定していたルートを飛んでいたが、同56分ごろ、宮古島北西の洋上でレーダーから消えた。

 防衛省関係者によると、ヘリは熊本県の高遊原分屯地を6日午後1時ごろ出発。宮古島分屯基地に到着して機体を整備した後、2回にわたり宮古島を視察飛行する予定だった。だが、1回目の飛行の離陸から約10分後に消息を絶ったという。

 事故当時は3月30日に着任した坂本雄一師団長(陸将)や、師団ナンバー3にあたる師団幕僚長ら着任直後の幹部3人が乗っていたとされる。そのほかの乗員は宮古島の地形を熟知した隊員らで、機上で着任直後の隊員らへの説明役を担っていた。2回目の飛行で乗る予定だった隊員らの中にも着任直後の隊員がいたという。

 第8師団は熊本県の北熊本駐屯地に司令部を置き、宮崎、鹿児島を管轄。隊員は約5千人で、有事に即応する「機動師団」と位置づけられ、戦闘が起きた場合には最前線に優先的に派遣される。防衛省関係者は「南西諸島の周辺で中国軍が活動を活発化させる中、万が一の時に派遣される離島をあらかじめ上空から視察することが今回の航空偵察の目的だった。人事異動後にある通例の任務だ」と明かす。

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