PHS、28年の歴史に幕 ソフトバンクが今月末にサービス終了

鈴木康朗
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 ソフトバンクがPHSサービスを31日に終了させる。個人向けのサービスは2021年1月末で終えており、自動販売機やエレベーターなどの機器とデータをやりとりする法人向けが続いていた。国内でPHS事業をしている大手は同社だけで、1995年に始まったサービスが28年で幕をおろす。

 PHSは「Personal Handyphone System」の略称で、コードレス電話の機能を屋外でも使えるようにした日本発の通信規格だ。通話の仕組みが異なる一般的な携帯電話に比べて料金が安く、若者世代を中心に「ピッチ」と呼ばれて人気を集めた。契約数はピークの97年には約700万件だった。

 だが、携帯各社が料金を引き下げるなどしたため、通話エリアが比較的狭かったPHSを選ぶ人は少なくなり、08年にNTTドコモがサービスをやめた。ソフトバンクも個人向けに続いて、自動販売機の在庫データを集めるなどの法人向けサービスを終える。22年12月末時点の契約数は約12万件だった。

 PHSの電波は携帯電話に比べて医療機器にも干渉しにくいとして、医療機関で普及していた。病院の内線など限られたエリア内で事業者が独自に構築する「構内PHS」は今後も使える。(鈴木康朗)

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