第2回「どういうことや」DVで離婚した夫、10年ぶりの連絡に感じた恐怖

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A-stories 家族に知られたくなかった… 生活保護と「扶養照会」

 「どういうことやねん」

 大阪府に住むひとり親の30代女性に、ショートメッセージが届いた。

 2021年1月の夜だった。

 メッセージはさらに続いた。

 「役所から手紙が来た。何で扶養義務が発生しているのか説明しろ。生活できないのであれば、うちの母親が子どもを引き取ると言っている」

 送信者は、その10年前に離婚した元夫だった。

 夫は日常的に女性を殴ったり蹴ったりしていた。

 家庭内暴力(DV)が離婚の原因だったという。それ以来10年間、一切の連絡を絶っていた。

 女性は飲食店などのパートを掛け持ちして働きながら、4人の子どもを育てていた。

 元夫は養育費をまったく支払ってくれなかったという。

福祉事務所にDV被害を伝えたのに

 女性は、20年の夏ごろに頭…

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    大久保真紀
    (朝日新聞編集委員=子ども虐待など)
    2023年3月27日19時53分 投稿
    【視点】

     記事では、生活保護申請をした側の恐怖や思いが取り上げられていますが、扶養の照会を受けた方も悩み、苦しむことがあります。  虐待を受けて保護され、児童養護施設で育った子どもが成人した後に、「親の扶養ができないか」「金銭的な援助ができないか

    …続きを読む