【詳報】ウクライナ侵攻65、3月21日~3月27日(日本時間)の動き

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 ロシアのプーチン大統領は25日の国営テレビの番組で、隣国ベラルーシに戦術核を配備することで同国と合意したと述べました。これに対し、北大西洋条約機構(NATO)の報道官は26日、「危険で無責任」と非難しました。米国務省は「ロシアが核兵器を使う準備をしている兆候はない」と説明しますが、憂慮すべき動きであるのは間違いありません。

(タイムスタンプは日本時間、括弧内は現地時間)

【ツイート分析】SNSが伝えた戦場 ウクライナ侵攻1年

SNSはウクライナ侵攻でどんな役割を果たしたのでしょうか。戦場の様子や解放の喜び、そしてロシアに不都合な事実。この1年、世界を駆け巡ったツイートを振り返ります。

■■■3月27日(日本時間)■■■

23:52(モスクワ27日17:52)

プーチン氏、10歳の少年にメダル 祖国防衛を訴える狙いか

 ロシアのプーチン大統領が、ロシア南部ブリャンスク州に住む10歳の少年に、武功メダルを授与した。ロシアメディア各社が27日、伝えた。報道によると、少年は2日、侵入してきたウクライナの破壊工作グループの攻撃で負傷しながら、2人の少女を助けたという。

 少年の祖国と仲間を守る姿勢をたたえることで、国民にウクライナ侵攻への支持と貢献を求める狙いとみられる。

 ロシア側は攻撃により、住民2人が殺害されたと主張している。ウクライナ側は事件への関与を否定している。

23:00(キーウ17:00)

ドイツ製戦車「レオパルト2」、18台がウクライナに到着

 ドイツがウクライナに供与を約束していたドイツ製の主力戦車「レオパルト2」18台が、ウクライナ国境付近で引き渡された。ロイター通信が27日、独紙の報道として伝えた。また、約40台の「マルダー歩兵戦闘車」もウクライナに到着したとみられるという。

22:35(ザポリージャ16:35)

IAEA事務局長、ゼレンスキー大統領と会談「依然として緊張状態」

 国際原子力機関(IAEA)のグロッシ事務局長は27日、ウクライナ南部のザポリージャ市でゼレンスキー大統領と会談し、ロシアが占拠するザポリージャ原発の不安定な状況について議論した。AP通信によると、グロッシ氏は「原発の状況は依然として緊張状態にある」と述べた。

 グロッシ氏は原発周辺に軍が多く駐留していることや、繰り返し停電が発生している状況を懸念。今月上旬、ロシア軍のミサイル攻撃で外部電源を喪失した事態に警鐘を鳴らし、「毎回、サイコロを振っているようなものだ。このようなことが何度も続けば、いつか運が尽きてしまう」と述べた。グロッシ氏は近く、ザポリージャ原発への訪問を予定している。

21:49(ザポリージャ州15:49)

ゼレンスキー大統領、ザポリージャ州の前線を訪問

 ウクライナのゼレンスキー大統領は27日、同国の中南部ザポリージャ州の前線地帯を訪問したとSNSに投稿した。

 ゼレンスキー氏が投稿した動画には、自国の兵士を激励し、勲章を授与する様子が収められていた。ゼレンスキー氏は「ウクライナを防衛する兵士一人一人に感謝している。我々は必ず勝つ」と投稿でつづった。

 ゼレンスキー氏は22日にも東部の激戦地バフムート周辺を訪問したとSNSで報告していた。戦況の膠着(こうちゃく)状態が続くなか、兵士の士気を高める狙いがあるとみられる。

21:41(パリ14:41)

親ロシアのハッカー集団がフランス下院のサイトをサイバー攻撃

 フランスの国民議会(下院)のウェブサイトが27日、サイバー攻撃を受けた。AFP通信などが伝えた。親ロシアのハッカー集団「NoName057」がSNSで犯行声明を出した。

 「NoName057」は声明で、「私たちは、ウクライナの支援を続けるフランスに戻ると決めた。まず、国民議会のウェブサイトをクラッシュさせた」と主張した。

 AFP通信によると、国民議会のサイトは同日午前に一時、「現在、メンテナンス中」と表示されるページ以外に閲覧ができなくなった。IT専門家の話として、特定のサイトやサーバーに大量のデータを送りつけて障害を発生させる「DDos(分散型サービス妨害)攻撃」の標的になったと伝えている。

17:55(スラビャンスク11:55)

ウクライナ東部拠点都市にミサイル攻撃、2人死亡

 ウクライナのゼレンスキー大統領は27日、ロシア軍が東部ドネツク州スラビャンスクを攻撃したとSNSに投稿した。ウクライナのメディア「ウクライナ・プラウダ」は同州知事の発言として、この攻撃で2人が死亡、29人が負傷したと伝えている。

 スラビャンスクは同州の拠点都市。キリレンコ州知事によると、ロシア軍は同日午前10時半ごろ、市中心部をミサイルで攻撃。行政機関やオフィスビル、住宅12棟が破壊されたという。

 ゼレンスキー氏は被害を受けた現場を撮影したとみられる動画を投稿。「全てのロシアのテロリストは打ち負かされ、責任を問われる」と訴えた。

13:23(リガ07:23)

ラトビア外相「ベラルーシがロシアの軍管区の一部と化した」

 ロシアのプーチン大統領が隣国ベラルーシへの戦術核配備の方針を明らかにしたことを受け、ラトビアのリンケービッチ外相は27日、「ベラルーシがロシアの軍管区の一部と化したことを示している」とツイッターに投稿した。

 ベラルーシはウクライナに侵攻するロシア軍に攻撃拠点を提供している。リンケービッチ氏はベラルーシの姿勢を、ロシア全土に五つある同軍の軍管区になぞらえて、皮肉った形だ。

 リンケービッチ氏は、欧州連合(EU)と主要7カ国(G7)は、ロシアとベラルーシに対してより強力な経済制裁を科すべきだと主張した。

08:00(ロンドン00:00)

英国防省、ウクライナ兵への戦車訓練終了

 英国防省は27日、ウクライナ兵への主力戦車「チャレンジャー2」の訓練が終了したと発表した。兵士らは既にウクライナに帰国したといい、戦車も近く、ウクライナ側に引き渡されるという。

 英政府は1月、14両のチャレンジャー2をウクライナに提供すると発表。その後、実戦で使いこなせるようにするため、ウクライナ兵を英国に招き、訓練を実施してきた。戦車の操縦方法や効果的な標的の特定方法などが含まれるという。

 ウォレス英国防相は談話で、「訓練を終えたウクライナ兵の決意を目の当たりにし感銘を受けた。我々はウクライナ支援でできることを全て、必要な限りしていくつもりだ」と述べた。

03:00(モスクワ21:00)

ロシア国防省「ウクライナ軍がドローン攻撃」

 ロシア国防省は26日、モスクワから南に約200キロ離れた西部トゥーラ州で、攻撃してきたドローン(無人機)を墜落させたと発表した。ウクライナ軍による攻撃だとしており、ロシア国営メディアによると、3人が負傷したという。

 同省は発表で、ウクライナ軍が旧ソ連製のドローン「Tu141」による攻撃を試みたが、ロシア軍が電子戦システム「ポーレ21」でドローンの誘導装置を無効化し、同州キレエフスクに墜落させたとしている。

 ロシア国営タス通信は、ドローンが爆発して3人が軽傷を負ったほか、住宅16棟の損傷が確認されたと報じている。

 ウクライナ側から攻撃への関与を認める声明は出ていない。

 ロシア国防省は昨年12月にも、モスクワ南東のジャギレボ空軍基地と南部エンゲリスの空軍基地でウクライナ軍によるドローン攻撃を受けたと発表している。この際にも「Tu141」が使われたとの見方があった。

02:35(キーウ26日20:35)

キーウ市、夜間外出禁止時間を短縮

 ウクライナの首都キーウ市内の夜間外出禁止時間が、26日から1時間短縮される。地元キーウ・インディペンデントが同日伝えた。

 同市内ではこれまで、午後11時から翌朝午前5時までの外出が禁止されていた。この日から、開始時刻が午前0時からになる。地下鉄は午後11時まで、地上交通は午後11時半まで、それぞれ運行するという。

 キーウ市のクリチコ市長がすでに17日、生産性の向上や雇用の創出を見込んで、時間短縮の方針を明らかにしていた。

00:00(ブリュッセル26日17:00)

ロシアの核「受け入れないで」 EUが要請

 ロシアのプーチン大統領が隣…

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