「一本どうぞ」山中のサプライズ 小児がんの景子ちゃんがつないだ縁
多知川節子
瀬戸内海を望む霊峰の細道を進むと、木漏れ日が差し込む広場に行き着く。木製のベンチに、お茶やジュースなどが詰め込まれたケースが並んでいる。
「一人一本ご自由にお取り下さい」。手書きの貼り紙のそばにノートが置かれ、中には感謝の言葉がつづられている。
「心がおどりました」「この場所に来て力を頂きました」
ここは「景子ちゃんの接待所」。香川県坂出市と高松市にまたがる山中に2年前に設けられた。
小児がんのため、6歳で亡くなった鈴木景子ちゃんが結んだ縁が始まりだった。
景子ちゃんは愛知県豊田市に…