本命不在のガチンコ公募 自民候補に「銀座のママ」 参院大分補選

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杉山あかり 白石昌幸 倉富竜太
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 4月23日投票の参院大分選挙区補欠選挙で、自民党大分県連は、立候補予定者として、銀座のクラブ「稲葉」オーナー白坂亜紀氏(56)を公募で選んだ。「本命」を見つけられないままの「ガチンコ」選考となった。

 11日午前9時、大分市内のホテルに、県連所属の国会議員や県議ら149人の選考委員が集まった。公募に応じた7人のうち、書類選考で選ばれた6人が5分間の演説をし、投票の結果、白坂氏が勝利した。

 ただ、選考後の記者会見で、県連の阿部英仁会長は「予期していなかった状況で急きょ選考委員会を設定した。応募いただいた方々にとっても本当に急な話だった」と語った。

 昨年11月、4月9日投票の大分県知事選に、大分選挙区選出の安達澄(きよし)前参院議員(53)=無所属=が立候補を表明。安達氏が参院議員をいつ辞職するのかが注目された。

 公職選挙法は3月15日までの欠員は4月、それ以降の欠員は10月に補選を行うよう規定する。安達氏が知事選告示まで辞職せずに自動失職となれば、参院補選は10月になる予定だった。

 4月の統一地方選と重なることや、候補者の選定、選挙の準備期間などを考えると、自民内には10月の補選を望む声が多かった。

 しかし、安達氏は2月下旬、「(大分選挙区の)参院議員が空白になる期間を作らないように4月補選にすべきだ」として、3月15日までに辞職することを表明。補選が4月23日に行われることが確実となった。

 補選まで残り約2カ月。各党は候補者擁立に向けて慌てて動き出した。

 自民党県連では当初、前参院議員の礒崎陽輔氏の名前が取りざたされた。礒崎氏は2019年参院選で自民党公認の現職として戦い、野党統一候補の安達氏に敗れ、落選していた。安倍政権首相補佐官だった実績や知名度から、短期決戦となる補選では現実的な選択肢だった。

 ただ、「安達氏に議席を奪わ…

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    林尚行
    (朝日新聞GE補佐=政治、経済、政策)
    2023年3月13日11時30分 投稿
    【視点】

    今回の統一地方選や国政補選でまま見られることなのですが、自民党の地方組織の「事前調整機能」が衰えているように感じます。ただ、これは逆に有権者にとっては、候補者選考のプロセスを可視化していく好機とも言えます。参院大分選挙区補選の候補者選びが「

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