「危険な空き家」税負担増、活用促進で歯止めを 法改正案を閣議決定

高橋豪
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 政府は3日、管理状態が悪い空き家を減らすため、空家等対策特別措置法(空き家法)の改正案を閣議決定した。2015年の施行時は倒壊などの危険があり周囲に悪影響を及ぼす「特定空き家」の対策に軸足が置かれていたが、その前段階での手立てを強化する。

 政府は税制の優遇措置を見直すことで空き家の状態悪化を未然に防ぐ。住宅用地の固定資産税は、面積に応じて6分の1~3分の1に軽減されるが、特定空き家の所有者が市区町村からの適切な管理や修繕の要求に応じなかった場合は減税の対象から除外されている。改正案では、放置すれば特定空き家になるおそれのある「管理不全の空き家」も優遇対象から除外する。

 また、市区町村が最終手段として特定空き家の撤去を代執行する際の手続きについて緊急時は簡略化する。一戸建てのほか、居住者のいない集合住宅も対象となる。

 今回の改正案では、空き家の早期活用にも重点を置き、市区町村がその促進区域を指定できる。区域内では空き家を建て替えたり用途を変えたりする場合の規制を緩和する。カフェや宿泊施設、子育て支援施設としての活用が見込まれる。

 市区町村が、連携して空き家対策にあたるNPOなどを公的な「支援法人」に指定できる制度も設ける。

 国土交通省によると、管理状態の悪い空き家の修繕や撤去は年に約2万件ある。今回の改正で、年約3万件に増えると見込む。(高橋豪)

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