第2回コロナ禍で「アプリ婚」した30歳男性 待っていた孤独、それでも…

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 コロナ禍が始まったばかりの2020年3月、都内の会社員の男性(30)は東京・銀座のイタリアンレストランで人を待っていた。

 スマホを立ち上げ、マッチングアプリを開くと、これから会う相手のプロフィルが表示された。同い年の女性会社員。髪が長く色白で、明るい笑顔が印象的だ。

 メッセージのやり取りを重ねたのは2週間ほど。アプリでの出会いは慣れているつもりだ。でもこの日は少しだけ緊張していた。

 その時、一人の女性がテーブルに近づいてきた。

 「こんにちは」

 女性の問いかけに笑顔で応えつつ、スマホをそっとポケットに入れた。

 関西地方の大学院を18年に卒業後、金融機関に就職し、上京した。会社の同期以外に友人はほとんどいなかった。

 上京早々、そんな友人の一人がマッチングアプリで交際相手と出会ったことを知った。新しい街で、職場と自宅を往復するだけの日々が寂しく、自分も始めることにした。

 選んだのは「会員数最多」がうたい文句のアプリ。試しに、自身と上下5歳差の都内の女性を調べてみると、何千人もの顔写真とプロフィルが現れた。女性と付き合った経験は多いとはいえず、尻込みしつつも気になった女性に、少しずつ「いいね」を送っていった。

「女性のスタンプラリー」と感じたことも

 徐々にマッチングする相手が増えた。メッセージのやり取りが盛り上がると、「もしよければ食事に行きませんか」と誘った。

 最初の相手とのデートは覚えていない。食事をして解散しただけだった。しかし、初対面の女性と話すことに高揚感があった。

 代わる代わる月に1回程度、都内のレストランやカフェで十数人の女性と会った。交際相手は欲しかったが、真剣ではなく、むしろ遊び相手を見つける目的だった。

 男性はマッチングアプリで、さまざまな女性と出会い、経験を重ねていきます。しかし、その先に待っていたのは思わぬ孤独でした。

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 ひとつのアプリだけでなく…

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    たかまつなな
    (時事YouTuber・笑下村塾代表)
    2023年3月14日12時0分 投稿
    【解説】

    私も婚活をしており、アプリでは300人ほどとマッチしやりとりした経験があるが、相手をよく知るのが現在の婚活ではかなり難しくなっているように思う。マッチングアプリで結婚する人が増える一方で、マッチングアプリ疲れも増えている。アプリでは、たくさ

    …続きを読む