気球に注目してきた中国 コスト、飛行時間、そして「暗殺者」の機能

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北京=高田正幸
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 米国上空を飛行していた中国の気球を米軍機が撃墜したことについて、中国政府は気球を「気象など科学研究用」だと説明し、米側の対応を「過剰反応」だと非難している。一方、中国では近年、国有企業を中心に、軍用を含めた気球の開発が進んできた。中国軍はその軍事的な有用性を高く評価している模様だ。

 中国国営中央テレビによると、中国で最初に気球の役割に注目が集まったのは2010年に開催された上海万博の時だった。カメラを搭載した全長31メートルの気球船「天眼」が184日間の会期中、会場上空を浮遊し、周辺の安全を警戒した。火災を早く見つける役割などを担ったという。

 その後、軍用の開発も進んだ。中国軍事誌によると、21年に広東省珠海で開催された中国最大の航空ショー「中国国際航空宇宙博覧会」では、多くの新型気球が出展された。

 このうち、国有の軍事科学企…

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