トルコとシリアで強い地震 建物倒壊、両国で死者2200人超か

トルコ・シリア大地震

カイロ=武石英史郎
【動画】トルコ・カフラマンマラシュでは多数の建物が倒壊。救出活動が行われていた=ロイター
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 トルコ南部からシリア北部にかけての一帯で6日未明、強い地震があった。米地質調査所(USGS)によると、地震の規模を示すマグニチュード(M)は7・8。トルコ政府はトルコだけで1541人が死亡したと発表した。シリアと合わせた死者は2200人を超えたとみられる。

 USGSによると、地震は現地時間の午前4時17分に起きた。震源はトルコ南部ガジアンテップの西約34キロ、深さは約18キロ。トルコ側の被災地からの映像では、コンクリート造りの建物があちこちで倒壊し、人々が手作業でがれきの中に閉じ込められた人の救出を続けている。

 トルコ当局によると、同国側では2824棟の建物が倒壊し、7634人が負傷した。余震が続くなか、USGSによると、午後1時24分に約100キロ北を震源とするM7・5の強い地震が再び起きた。

 シリア保健省は、北部のラタキアやアレッポ、中部ハマなどで被害が相次ぎ、461人が死亡、1326人が負傷したと伝えた。これらはアサド政権側の支配地域の情報とみられる。同国北西部の反体制側支配地域について、ロイター通信は国連当局者の話として、少なくとも255人が死亡、811人が負傷したと伝えた。

 トルコは日本と同様に地震が多く、2020年10月には、西部イズミル県の地震で100人以上が死亡。1999年には北西部コジャエリ県などで起きた地震で1万7千人以上が犠牲になり、2011年に東部ワン近郊で起きた地震では約650人が亡くなった。

 松野博一官房長官は6日夕の会見で、地震の犠牲者に哀悼の意を表すとともに、現時点で在留邦人の被害情報はないことを明らかにした。(カイロ=武石英史郎)

過去にトルコで起きた主な地震被害

(Mはマグニチュード)

発生日 場所 地震の規模 死者数

1999年8月17日 北西部コジャエリ県 M7.4 1万7千人以上

2003年5月1日 東部ビンギョル県  M6.4 160人以上

 11年10月23日 東部ワン県     M7.2 600人以上

 20年1月24日 東部マラティヤ県  M6.7 30人以上

 20年10月30日 西部イズミル県沖  M7.0 110人以上

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