ウイルス攻撃の那覇市立図書館、貸し出し制限を解除

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 那覇市立図書館7館は21日までに、1人当たり3点までとしていた図書などの貸し出し制限を解除する。昨年10月、コンピューターウイルス「ランサムウエア」の攻撃を受けた図書館のシステムを新たに構築し、円滑に貸し出せる態勢が整った。同日からは図書の検索サービスも再開予定で、利用者から「やっと制限がなくなった」と歓迎の声が上がっている。

 市内の図書館は昨年10月13日にシステムが攻撃を受けた後、一時的に貸し出しサービスを停止したが、同22日から一般の資料作成ソフトを使うなどして順次再開した。ただ事務負担や窓口での混雑を想定し、貸し出しは図書とAV資料を含めて3点までに制限していた。

 制限は今月19日に牧志駅前ほしぞら、繁多川、首里、石嶺の4館、20日に小禄南、若狭の2館でそれぞれ解除。21日には中央図書館でも通常通り借りられるようになる。一方、予約サービスについては蔵書データなどの入力作業や整理に時間を要するため、2月以降にずれ込む予定という。

 若狭図書館では20日、3冊以上を早速借りる利用者も少なくなく、「やっと制限がなくなったね」などと歓迎の声が上がった。

 2週間に1度は利用している比嘉博樹さん(72)は、小説やエッセーなどを6冊借りた。「本は高いのでよく利用している。貸し出し冊数が増えて一安心」と安堵(あんど)の表情。「まだ予約サービスが使えず不便さが残る。早く完全利用できるようにしてほしい」と話した。

 従来のシステムはうるま市のデータセンター内に設置したサーバーで管理していたが、サービスをいち早く再開できる選択肢としてクラウド環境で管理する方式を採用した。これにより、月額32万円の追加負担が発生。5年契約のため、契約満了の年末までは被害を受けた従来のシステムサーバーの費用80万円余も支払い続けなければならない。(沖縄タイムス)

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