都監査委員、再調査を勧告 都事業受託した女性支援団体の会計

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 虐待や性暴力を受けるなどした女性を支援する東京都の委託事業をめぐり、都監査委員が、受託団体の経費計上に不適切な点があるなどとして都に2月末までの再調査を勧告した。4日、明らかにした。都への住民監査請求で「請求人の主張に理由がある」と認められたのは2016年8月以来。

 都によると、受託団体は一般社団法人「Colabo」。監査結果の通知は先月28日付。監査結果によると、監査請求は、宿泊の費用の過大計上や、受託に関係なく生じる税理士らの報酬を委託料に含めた点などが不適切とし、委託料返還などを求めたもの。

 監査委員は21年度の事業費について調べた。宿泊支援費については、帳簿記録を調べると実際の費用を経費に計上していると確認できたとして、「(請求人の指摘は)妥当でない」と主張を退けた。また、車両関連費、旅費交通費、会議費、医療費などに関する指摘もあったが、「妥当でない」とした。

 一方、税理士らの報酬の全額計上は「適切でない」と指摘し、「請求人の主張の一部には理由がある」と認めた。請求者の指摘以外に、不適切な領収書の提出や、妥当性が疑われる比較的高額なレストランでの食事代やホテル宿泊代があったなどとした。

 こうした結果を踏まえ、事業を所管する都福祉保健局に対し、事業実績額の正確な報告や、宿泊費などの適切な報告を法人にさせるよう意見を付した。

 法人側は4日、文書を公表し、「女性やスタッフの安全確保のために領収書の記載は必要最低限とすることが多くある」とし、食事代については「大人数での食事代」「支援対象の女性のお祝い事をするため」などと説明した。都に丁寧な説明や改善が必要な事項について「真摯(しんし)に対処する」とした。

 都監査事務局によると、都への住民監査請求で「請求人の主張に理由がある」と認められたのは2016年に、舛添要一前知事が公用車を私的に利用したとして、経費の返還請求を勧告して以来という。

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