「物足りない」選手たちを常勝軍団に 青学大・原晋監督の人材育成術

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聞き手・中井なつみ
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 箱根駅伝4連覇などの実績を誇る青山学院大陸上競技部を率いる原晋監督。独特な選手育成法でチームを「常勝軍団」に育て上げました。その手腕はスポーツにとどまらず、人材育成や子育てにも通じるものがあります。「人を育てる」という視点で重要なことはなにか。原監督に聞きました。

 ――「人を育てる」うえで、大事にしていることにはどのようなことがありますか。

 スポーツだと、強豪校であればあるほど、指導者が考えた練習メニューに選手を「従わせる」「強制する」場面が増えてくることが多いです。でも、それでは人は育たないというのが僕の考えです。

はら・すすむ

 1967年、広島県生まれ。選手としては、世羅高校で全国高校駅伝準優勝、中京大ではインカレ3位入賞。中国電力に進むが、けがに悩み引退。2004年に青山学院大陸上競技部監督に就任。09年に33年ぶりの箱根駅伝出場を果たし、15年には初の総合優勝。18年まで4連覇。22年は大会新記録で6度目の総合優勝などの実績を残す。

結果だけでは成長できない

 僕のスタンスは、「伝えるべきところは伝えるけれど、あとは自分で考えて実行してね」というもの。言われた通りにやっていれば、確かに結果は出るかもしれないけれど、人としての成長はできません。

 スポーツ以外の場面でも同じです。まずは、きちんと自分の考えで動けることを大切にします。

 ただ、いまの選手たちを見ていると、「物足りないな」と感じることも多いです。

 ――「物足りなさ」とは、どのようなものでしょうか。

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 僕は、選手たちに「もっと挫…

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