働きづめの配送ドライバーさんのため 「飛べなかった男」の愛と決意

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編集委員・中島隆
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魂の中小企業

 那覇の首里城ちかくに生まれた少年は、パイロットにあこがれました。でも、パソコンでゲームやプログラミングばかりしていたので、視力が落っこちてしまいました。舞いあがれなかった彼は……。仁義と愛と決意の物語を、みなさんのハートにお届けします。

 40代の女性ドライバーは、軽貨物車で東京都内を回り、荷物を配送している。夫は会社員、小学生と3歳の男の子がいる。

 朝おきて、ササッとアプリで検索する。配送の仕事がずら~り。何を、どこへ、何時までに運ぶか、報酬はいくらか、などが出てくる。

 上の子を学校に送り出して、下の子を保育園に送るから……。アプリでエントリー、仕事ゲット。1分もかからなかった。

 昨年の夏まで、彼女は物流会社のパートドライバーをしていた。子どもが体調を崩すなど、緊急事態がおこる。休ませてもらうが、申し訳なさでいっぱいになる。新型コロナで学校が休校になったり、保育園が休園したり。パートをやめざるをえなかった。

 個人ドライバーとして独立した。うわさに聞いていたアプリで仕事をとるサービスを使いはじめた。

4万人利用のアプリ

 加地淳一(56)も、仕事を例のサービスで取る。荷物を届け、その地の温泉につかることも。今年の3月まで、宅配便の会社で働いていた。歳末などの繁忙期は一日200件以上、荷物を届けた。体力の限界、独立、うわさのサービスを使いはじめた。

 ドライバーふたりが使っているサービス。それは、荷主からの仕事と、それを受けたいドライバーを直接つなげる配送プラットフォームだ。4万人をこえる軽貨物ドライバーが利用する。

個人の配送ドライバーの間で話題になっていたというアプリ。ここから先は、このアプリを世に出した「飛べなかった男」の人生の転機、運送業との出会いを描きます。

 サービスをつくった会社は…

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