第1回死後のあなた、誰が引き取りますか 島田陽子さんの最期が問いかける

有料記事「無縁遺骨」を追う

森下香枝
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 11月21日夜。高円寺駅(東京都杉並区)の駅前商店街にある30席ほどの小さな映画館で、俳優・島田陽子さんの遺作の映画「エヴァーガーデン」が上映された。

 島田さんは米国のテレビドラマ「将軍 SHOGUN」(80年)にヒロインとして出演し、全米で大ヒットを記録。日本人として初めてゴールデングローブ賞の主演女優賞を受賞した。その後もハリウッド映画に出演するなど、内外で活躍した。

 「エヴァーガーデン」の横山浩之監督は「島田さんは遺作になると覚悟して撮影に臨んだと思う」と話す。

湖の撮影 周囲が見た気丈さ

 島田さんが直腸がんと診断されたのは約3年前。抗がん剤治療などはせず、島田さん自らこの映画を企画し、共演者を集めた。闘病は伏せ、昨夏には鹿児島などでロケをした。島田さんはハリウッドで特注した衣装を持参した。

 撮影中も、多数の薬を服用し、セリフを言う際、息が切れ、食事もほとんど取れなかった。それでも、湖に入るシーンを撮影する際、痩せて寒がる島田さんに監督が「足だけでいい」と提案すると、「それはダメ」といって水の中に入った。

 共演した高樹澪(みお)さんは「気丈だった。命がけで女優としての自分のイメージを守ろうとしていた」と振り返る。

 2021年末、映画の試写をした際には、島田さんは入院中で出席できなかった。監督らの見舞いも断り、ラインでやりとりをするだけになった。「医療費がかさむ」といった返信があった時期もあったが、それも途切れた。

 島田さんが都内の病院でひとりで死去したのは7月25日。69歳だった。

国際派俳優として名をはせた島田陽子さんでしたが、人生の幕が下りた後、意外なところにいったん引き取られました。それは、高齢化社会の「今」を映し出していました。

 関係者によると、亡くなった…

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    真鍋弘樹
    (朝日新聞フォーラム編集長=社会、国際)
    2022年12月22日12時17分 投稿
    【視点】

    孤独死から無縁遺骨へ。これは誰にとっても決して他人事ではないストーリーです。世界的に活躍した有名女優ですら、死後の弔いを担ってくれる人がいなかった。生涯未婚率が高まり、単身高齢者が急増していく日本で、長生きすればするほど、この連載で言う「無

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