敵の攻撃受けてから反撃、だけでない 安保3文書の説明は十分なのか

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田嶋慶彦 松山尚幹
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 岸田政権が16日、安全保障関連3文書を決定した。最大の焦点だった「敵基地攻撃能力」は、「反撃能力」として、その能力を保有することになった。文書からは、敵の攻撃を受けてから反撃するかのように読めるが、実際にはそれだけではない。ふつうに読むだけではわからない重要な要素が含まれている。

 「国家安全保障戦略(NSS)」では、「反撃能力」をこう定義した。

 「我が国に対する武力攻撃が発生し、その手段として弾道ミサイル等による攻撃が行われた場合、武力の行使の3要件に基づき、そのような攻撃を防ぐのにやむを得ない必要最小限度の自衛の措置として、相手の領域において、我が国が有効な反撃を加えることを可能とする、スタンド・オフ防衛能力等を活用した自衛隊の能力」

 しかし、純粋な「反撃」だけに行使されるわけではない。定義に明記された「我が国に対する武力攻撃が発生」とは、被害の発生を意味しないからだ。

攻撃に「着手した」と認定するのは難しい

 1999年3月、野呂田芳成

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