行正り香さんが受けた父の教え「半径5キロで1番を見つける」の意味

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小川裕介
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 学校の勉強に興味が持てず、成績はビリから4番目……。そんな高校生が米国留学を機にさまざまな人に出会い、人生を切り開いていきました。料理研究家として、会社経営者として、2人の娘の母として活躍する行正り香さん(56)が、半生を振り返りました。

行正り香さんプロフィール

 ゆきまさ・りか 1966年、福岡県生まれ。県立福岡高校、米カリフォルニア大学バークリー校卒。広告会社・電通でCMプロデューサーを務め、2007年に独立。子ども向け教育サイト「なるほど!エージェント」を設立した。オンラインで英語のスピーキング練習ができる「カラオケEnglish」が、17年度の「eラーニングアワード」を受賞。料理研究家としても活動し、著書は「だれか来る日のメニュー」など約40冊。国際放送「NHKワールド JAPAN」の「Dining with the Chef」にレギュラー出演している。

 和食の魅力を伝えるNHKの国際番組。行正さんは滑らかな英語に身ぶりを交え、だしの取り方や厚揚げの作り方を説明する。米国出身タレント、パックンとのかけ合いも軽妙だ。子育て世代や女性を中心にインスタグラムのフォロワーは4万人を超え、海外からもコメントが届く。だが――。

 「高校時代の成績はドベから4番目までが定位置でした。英語も苦手で……」

 授業中は居眠りばかりで成績がいっこうに伸びないのを見かね、教師が母のよし子さん(83)を学校に呼んで三者面談になった。「このままでは短大にも行けない」と言われるとよし子さんは烈火のごとく怒り、「先生は大学に行くだけが幸せだと言うのですか」と席を立った。「お母さんは、行正さんを信用しているんやね」と教師は言ったという。

 学校の勉強に興味が持てない娘に、父の節也さん(83)は言った。

 「半径5キロ以内で1番になれるものを見つけて、それを仕事にしなさい」

 「わたし1番がないけん、ド…

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