女性支援団体Colaboを「誹謗中傷」 投稿繰り返した男性を提訴

狩野浩平
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 行き場のない若い女性を支援している一般社団法人「Colabo」に関するデマや誹謗(ひぼう)中傷を繰り返したとして、同法人は29日、東京都の40代男性を相手取り、計1100万円の損害賠償などを求めて東京地裁に提訴した。

 訴状によると、男性はブログサイトnoteで9月9日、「Colaboは10代の女の子をタコ部屋に住まわせて生活保護を受給させ、毎月一人65000円ずつ徴収している」などと書いた記事を投稿。ツイッターやユーチューブでも同様の投稿を繰り返し、法人や代表の仁藤夢乃さん(32)の名誉を傷つけたとされる。

 Colaboによると、男性が「タコ部屋」の根拠として紹介した写真は、支援対象の女性たちが年越し合宿をしている様子。ColaboがSNSにアップしたものを転載したもので、弁護団は「文脈を完全に無視し、虚偽を事実だと断定している」と批判した。生活保護の不正受給については「そのような事実は一切ない」と語った。

 弁護団によると、男性のアカウントでは7月~11月28日、ツイッターで少なくとも900件、noteで27件、ユーチューブで30件の投稿があった。「Colaboが特定の政党と強く結びついている」「女性たちの医療支援に際し、医療機関からキックバックを受けている」といった事実無根の内容が多数含まれているという。

 Colaboの予算や会計書類に不備があったという趣旨の投稿もあった。法人側は「確かに単純な計算ミスが一部あった。書類は都の指摘を受けてすでに出し直している」と説明。投稿については「修正前の書類のみを公開し、何も訂正していないかのような印象がふりまかれている」と訴えた。

 男性の投稿の影響で、Colaboを支援してきた人たちから、寄付や食料支援をやめたいという申し出があったという。10月18日には支援の拠点となっていたピンク色のバスが何者かに傷つけられる事件があり、法人は同日、警察に被害届を提出した。

 29日に都内で会見した仁藤さんは「女の子たちのよりどころとなっていたバスを傷つけられ、私自身の体を傷つけられたような気持ちになった。女性のために声を上げること自体への攻撃で、止めなくてはならない」と訴えた。(狩野浩平)

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