震える声で「いま声を…」 ゼロコロナに抗議拡大、習近平氏母校でも

北京=林望
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 中国で続く「ゼロコロナ」政策への批判が、かつてなく強まっている。27日には習近平(シーチンピン)国家主席の母校でもある北京の清華大学の学生が抗議する事態に。各地の若者も声を上げ始め、当局にあらがう市民の姿も目立ち始めた。

 学生らの抗議の引き金になったのは、24日に新疆ウイグル自治区ウルムチ市で10人が犠牲になった火災だ。当局は否定しているが、火災のあったアパートがコロナ対策で封鎖され、消防車が入れなかったことが被害を広げたとの見方がネット上で広がった。

 清華大学での抗議集会には数百人以上の学生が参加。女子学生が「いま声を上げなければ生涯後悔する」などと震える声で訴える動画も拡散した。上海市内にある「ウルムチ」の名を冠した通りには多くの人が集まり、習氏の辞任を求める動画も中国のSNSで出回った。

 出口の見えない「ゼロコロナ」政策への不満は学生だけでなく市民にも広がっており、当局に反発する動きも目立ち始めた。開催中のサッカー・ワールドカップで各国のファンがマスクなしで熱狂する姿も、中国の特異な立ち位置を市民に強く印象づけている。(北京=林望)

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