増税「政権吹っ飛ぶ」国債「後世に負担」 防衛費強化、両方いばら道

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西尾邦明 相原亮 松山尚幹 田嶋慶彦
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 「防衛力の抜本的強化」に向け、政府の有識者会議が報告書をとりまとめた。増税は明記せず、「幅広い税目による負担が必要」と提言した。政府・与党は年末に向けて詰めの協議に入るが、防衛費の中身や規模、その裏付けとなる財源は不透明だ。

 有識者会議の最終日だった21日、あるメンバーのもとに自民党議員が接触し、こう訴えてきたという。

 「増税なき防衛力の強化をめざしてほしい」

 最大の焦点の一つである防衛費増額の財源について、自民党内には国債(借金)発行でまかなうべきだとの声が、なお根強い。

 このメンバーは「国債は借金。その負担が若い世代やその後にいく。何を考えているのか」と、憤りを隠さない。有識者会議がまとめた報告書では「国債発行が前提となることがあってはならない」と断じた。

過去には国債で軍事費膨張

 日本には過去に、戦時国債を…

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    藤田直央
    (朝日新聞編集委員=政治、外交、憲法)
    2022年11月23日8時28分 投稿
    【視点】

    いまの防衛力強化の議論は荒っぽいものです。  要は中国や北朝鮮とうまくいかない、向こうには強い兵器がある、だから日本も持つべきだという話です。典型が敵基地攻撃論で、日本も中国大陸や朝鮮半島に届くミサイルを持とう、「反撃能力」と言えば聞こえ

    …続きを読む