「開放感のある図書館」は本を傷める?相次いだ批判、実態を聞いた

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瀬戸口和秀
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 22日にオープンした大阪府吹田市の市立図書館が、開館を前に思わぬ批判にさらされた。

 大きなガラスを張り巡らせた開放感のあるデザインに対し、「紫外線で本が傷む」「本を大事にしていない人が設計した??」と、太陽光による影響を指摘するツイッターの投稿が相次いだ。市側に取材すると、対策はとっているという。その実態がどうなっているか、図書館に足を運んで話を聞いた。

 この図書館は児童センター、公民館と一体となった複合施設「まちなかリビング北千里」にある。

 阪急千里線の北千里駅に近い小学校跡地に総事業費約20億円をかけて造られ、地上2階地下1階建てで、延べ床面積は約3千平方メートルという建物だ。

 「複合施設による子育て・学びの拠点づくり」がコンセプトで、府内産の木材を多く使い、施設を歩くと木の香りが漂う。

 市は、3施設の機能の「融合」に心を砕いた。

 施設ごとにフロアで分けず、図書館を施設全体の共用部として広げた造りにして、児童センターや公民館に本を持ち込めるようにした。閲覧席は約110席あり、蔵書は約5万5千冊に上る。

 一つ屋根の下で施設全体の一体感が生まれるよう、各所に吹き抜けを設けた。天井までの高さは約9メートルあり、吹き抜け周りのカーテンウォールはガラス張りで、開放感あふれるデザインになっている。

 この施設について、本の日焼けを指摘するツイートが相次ぐようになったのはオープンの10日ほど前だ。

 きっかけは一つのツイートだった。

「開放感のある施設に」という市民の要望と、書籍への影響を懸念する司書の声。吹田市が「挑戦」と説明する両立への取り組みはどのようなものだったのか、取材を進めました。

 「理想の図書館が千里に出来…

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