いまだに朝の「電話番」? アナログな職員室の改革で保護者も楽に

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西田有里
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 「来週、当番かぁ……」

 埼玉県立大宮高校(さいたま市大宮区)の職員室では、つい最近までこんな声が漏れることがあった。

 「当番」とは、朝の始業前に保護者からかかってくる、生徒の欠席連絡をとる「電話番」のことだ。

 先生たちの働き方改革が叫ばれる中、この電話番がいまも存在する学校があるという。

 文部科学省が2021年度に全国の教育委員会を対象に調べたところ、欠席連絡を含む保護者との連絡手段をデジタル化していると答えたのは57・4%。勤務時間外の電話連絡を留守電にしたり、メール連絡に置き換えたりしているのは50・1%にとどまった。

 「小中高を問わず、朝の電話番はまだ残っている」と文科省の担当者はみる。

教育内容はデジタル化しても…

 児童や生徒にタブレット端末などを配るなどのデジタル化が進む一方、教育現場には「電話番」というアナログな慣習が残っている。

 大宮高校では、生徒が欠席する時、保護者が午前8時からの20分間で学校に電話をかけなければならなかった。電話番は1週間ごとに約70人の教員から2人ずつ回ってきて、本来の始業時間である午前8時25分よりも前に出勤しなければならなかった。

 電話はインフルエンザの流行時など、多い時には40~60件にものぼり、受話器を置くと直後にまたかかってくるような状況だった。

 「仕方ない」。小林建仁(け…

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