円安が大学図書館直撃 電子ジャーナル値上がり「数千万の負担増」も

山本知佳
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 円相場は10月、1ドル=150円台まで下落し、32年ぶりの安値となった。食品などの値上げも止まらない中、急激な円安の影響は、大学図書館にも広がっている。

 東京都三鷹市にある国際基督教大の図書館の担当者は、電子ジャーナルの値上がりに頭を悩ませる。

 電子ジャーナルは、国内外の論文などを収録したもの。同大では、図書や雑誌、データベースなどの購入費のうち、電子ジャーナルは半分近くを占める。来年分の見積もりでは2、3割値段が上がっていた。

 値上がり分は、利用頻度が低い雑誌や新聞などを解約したり、本の購入を減らしたりして対応する。「他のところに影響がでないようにしたいが、厳しい状況だ」と話す。

 文部科学省の調査によると、2020年度の国公私立大学の図書館資料費のうち、電子ジャーナルは約46%を占める。これまでも欧米の大手出版社の寡占が進み、年々値上がりしていた。そこに、円安が直撃した。

 都内の別の総合大学の関係者も「数千万円の負担増になる」と話す。円安で、海外からの留学生数が過去最多となっている「メリット」もあるが、電子ジャーナルの値上がりは「想定していないレベル」だ。「継続して閲覧できることも大事。簡単に購入をやめるわけにもいかない」(山本知佳)

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