拡大する写真・図版ワシントンで24日、民主党全国委員会の本部で演説するバイデン米大統領=AP

 米国の中間選挙(11月8日投開票)に向け、終盤に入って野党の共和党が支持を伸ばしている。連邦議会で主導権を握る民主党に対し、共和党が上下両院で過半数に迫る勢いだ。バイデン政権の求心力を保つためにも、議会の多数派を譲りたくない民主党は正念場を迎えている。

 「これほど重要な選挙はない。上下院の支配を維持できるかが大きな問題だ」。バイデン大統領は10月24日、ワシントンでの会合で投票を呼びかけた。直近の世論調査で「共和党優勢」となったことに触れ、「最後は民主党優勢になって幕を閉じるだろう」と終盤戦での巻き返しを誓った。

 直近の世論調査は、終盤での民主党の失速ぶりを示している。ニュースサイト「ファイブサーティーエイト」によると、支持政党を問う世論調査では10月20日、共和党が民主党を2カ月半ぶりに逆転した。

 下院では共和党の過半数獲得が有力で、上院でも接戦が予想される。カギを握る接戦州で共和党候補の追い上げが目立ち、上下両院ともに共和党が勝利する可能性も出てきている。

支持率低迷、バイデン政権の不人気

 この半年間、中間選挙に向けた「風向き」は幾度も変わってきた。

 当初は民主党にとって厳しい選挙になるとみられていた。昨夏にアフガニスタンからの米軍撤退が大きな混乱をもたらして以来、バイデン氏の支持率は低迷し、一時は30%台にまで落ち込んだためだ。

 4年間の大統領任期の真ん中の年に行われる中間選挙は、現職大統領への信任投票とも言われる。従来も、現職の大統領を擁する政党に不利な展開となることが多い。バイデン政権の不人気ぶりを踏まえると、民主党の苦戦は確実だとみられていた。

風向きを変えた、中絶判決

 そんな民主党に追い風が吹き始…

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